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私は最近ペダルを漕ぐ際に違和感を感じていました。
「原因はなんだろう」とけっこう悩みながら自転車を漕ぐ毎日。
そんな中で、先日「TB1のチェーンケースの取付け方。これで乗り出しが楽になる。」で、私は初めてクランクを取り外しました。
その時に右クランク軸の周りに思った以上の汚れが蓄積。
ここを掃除して、少しマシになった気はするけれども…。
もしかしたら回転が渋いのかもしれない。(いや、違うかもしれないけど)
今回はブリヂストンTB1のカートリッジ式ボトムブラケットの交換です。
ボトムブラケットは、左右のペダルを繋いでいる重要な部分にあたります。
私にとって、ちょっと手が出しづらかったパーツ。
ただクランクを外すことができたので、ちょっと挑戦してみたくなりました。
TB1のボトムブラケットは、少し特殊。
確実を求めるなら純正品がいいかもしれません。
いくつか試したのですが、完全に同じは厳しい様子。
こちらの記事は、純正品と同じ状態を目指して市販品の中から選んだものを使用して交換しています。
- カートリッジ式ボトムブラケットはいつ交換する?
- 交換の費用は?
- 自分で交換できる?
こちらの記事のボトムブラケットに交換後、走行に問題はありません。ですが、サイズの選択が最適かどうかはわかりません。
こちらではボトムブラケットやクランクボルトの締付トルクの計測はしていません。
もし整備に不安があるようでしたら、自転車屋さんにお願いする。あるいは、作業後に自転車屋さんに確認してもらうと安心です。
自転車を楽しんで頂きたいのですが、安全第一。
※こちらの整備で使用しているブリヂストンTB1は、2021年9月に販売されていたモデルです。現行モデルは仕様が異なる可能性があります。
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カートリッジ式ボトムブラケット交換の目安と難易度
TB1の標準ボトムブラケットについて
ブリヂストンTB1に採用されているボトムブラケットは、カートリッジ式(カセット式)といわれるもの。
写真のような形状で中にベアリングやグリス等が入っていて、交換時は丸ごと交換するだけです。
耐久性があり、メンテナンスが要らないタイプとなっています。
毎日乗る通勤自転車にはありがたい仕様。
ただ後述するカートリッジ式のボトムブラケットとは少し違った形状をしています。
こちらのカートリッジを調べると、
クランク軸が四角(スクエア)のタイプ
- シェル幅・・・70mm(右側は逆ネジ)←68mmから訂正しました。申し訳ありません。
- 軸長(ネジ部を含まない軸の長さ)・・・約127mm
- 円の外径・・・約34mm
- フレームから軸の先端(ネジ部は含まない)・・・左右ともに約27mm ←これが難しいです。
※上の写真の矢印の色に対応した部分の長さになります。私のおよその計測です。誤差、ご了承ください。
といった感じです。
こちらの側面に数字とアルファベットの記載がありましたが、メーカーまでは分かりませんでした。
交換時期の目安
カートリッジ式のボトムブラケットは、一般的に走行距離約1万kmが交換の目安と言われています。
もしくは明らかなガタつきや異音等の異常が見られたとき。
今回私は14508kmでの交換。
もちろん走れないことはないですけど、今後も長い距離を気持ちよく乗ることができるように交換を決断しました。
交換の難易度
交換作業自体は、難しくは感じませんでした。
ですが、私もそうですが初めて交換となると時間がかかる大変な作業ではありました。
クランクやボトムブラケットを外すので気を使うこと、工具の使い方、力の必要な作業が多い、気を付けないとケガをする恐れがあるといったところ。
ボトムブラケットやロックリングが固着していると作業は難航するかもしれません。
フレームのネジ山を潰してしまうかもしれないというリスクもあります。
どちらかというと交換部品の下調べが大変。
同じものを探そうと思ったけど、外さないと分からない。
写真のようにボトムブラケットが収まっていたフレームの幅を測ると約70mmだったのですが、右側の入り口は少しネジ山が奥にあるので68mmということ?
これはどうやら70mm。
でも右側が逆ネジだからイタリアンではなさそう。
シティサイクルは70mmのものが多いみたい。
このフレーム内のネジ山の奥行きは左右ともに約23mm(写真右)。
そして、商品を探すと端がネジになっていない、ボルトでクランクを固定するタイプばかりです。
また、チェーンライン(フレーム中心とフロントギアの間隔)というものがあるようです。
ちょうど良い位置にフロントギアがないと後ろ7枚のギアからチェーンをスムーズに運べなくなります。
簡単な計測ですが上の写真ですと約45mm前後。
ここが同じくらいにならないと変速の不具合、またはチェーンリング(フロントギアのカバー)に干渉してしまうということも考えられます。
こちらは私の誤った選択。最初に次項にあるシマノのカートリッジ式ボトムブラケットBB-UN300のスタンダードD-EL 127|68 (BC1.37)(シェル幅68mm・軸長127mm)を購入したのですが、取り付け後にクランクのグラつきが見られました。
D-ELの左側のフタ(アダプター)は、この写真のタイプ。
フレームの幅70mmに対して、こちらのボトムブラケット端の間隔は68mm。ひっかかって最後まで収まらないので、おそらく約1~2mm程度の隙間ができてしまったようです。
ボトムブラケット交換の費用と必要な工具
こちらはブリヂストンTB1のカートリッジ式ボトムブラケットの交換にかかる費用と必要な工具です。
もし純正品に交換するのであれば、購入店等に相談されるといいと思います。
チェーンケースが付いている場合は、特に純正品の方が安心かもしれません。(まだ私もチェーンケース付きで交換したことはありません。)
交換費用はどれくらい?
工具代を除けば、お店にお願いするとおよそ2~3倍くらいは費用がかかりそうです。
乗れれば大丈夫、忙しいし、という方はお店へ。
前述しましたが、交換部品の選定が難しいですので…。
安心ですし、間違いありません。
シマノ製を例に挙げると、
- スクエアタイプ ボトムブラケット 2,000~3,000円前後
- クランク固定ボルト 700円前後
こちらは3タイプ(スタンダード、Eタイプ、チェーンケース対応)あって、軸長(クランク軸の長さ)も様々。
上手くいかなかったD-EL以外の中から選ぶと選択肢は、軸が短くなってしまうけど LL123 か D-NL のどちらか。
シマノの製品互換情報等を参考にチェーンラインがより近くなりそうなものを選んだ方が良さそう。(クランクがシマノ製ではないので、少し賭けに出ている部分がありますが…。)
今回の交換では、私はスタンダードD-NL 122|68 (BC1.37)(シェル幅68mm・軸長122mm)を選択して、変速調整は不要でした。
フレーム側が70mmなので、右側を締めきっても左側に1~2mmは空いてしまう計算になります。(後述のKタイプの方が良いかもしれません)
こちらはクランク固定ボルトが付属していないので、別途用意する必要があります。
※チェーンケースが付いている場合、おそらく上記商品のチェーンケース対応タイプになると思われますが、取付けに問題ないかは私もやっていないので確実ではありません。
※D-ELはクランク固定ボルトが付属していました。
2024/10/8 追記
・タンゲのボトムブラケットについて
前述の「右側を締めきっても左側に1~2mmは空いてしまう」という点がずっと気になっていて、適正サイズのボトムブラケットを継続して調べてました。「タンゲ LN3922CLC」は、シェル幅70mmで軸長127mm、ネジの回す方向もシェル幅68mmと同じ仕様になっています。チェーンケースの取付けも可能で、ボルトも付属。こちらは左より右の方が軸が2~3mm長いようです。TB1純正よりもチェーンラインが外にズレてしまいます。一度取付けた時には、1速(軽いギア)に入れるとチェーンが外れてしまいました。調整でなんとかなるか、もう少し試してみたいと思います。
・シマノBB–UN300のKタイプについて
こちらはシマノBB-UN300のKタイプについて。上の写真のようにKタイプはボディが少し長くなっているようです。長い分左側がちょうどよく収まっています。
これで70mmが実現できているような感じ。
チェーンケースが入った場合、取付け金具の厚さ分チェーンラインが外にズレて、この左アダプターも中に入ることになるはず、です。
以下、いくつかの自転車屋さんの工賃の例です。
ちょっと専門的な部分なので少し高額といったところ。
難しい交換部品の選定も行ってもらえると思えば、高くはないかもしれません。
カートリッジ式ボトムブラケット交換 3,000~5,000円 + 部品代
部品代含めて5,000円~といったところでしょうか。
※部品に関しては、一般的にそのお店で選ぶことが多いと思います。
自分で行うなら、
部品代 + 工具代
です。
工具に関しては、クランク抜きやボトムブラケット工具が必要です。
モンキーレンチは家にある前提として、工具代が約3,000~5,000円。
もっと安くできると思いますが、あまり安価な工具でうまくいかなくても困るので最低限これくらいは見積もった方が良さそうです。
部品代含めて5,000円~くらいになります。
次回から部品代2,000円~くらいでできることになります。
必要な工具など
こちらは今回私がボトムブラケット交換に使用した工具等です。
- コッタレスクランク抜き(クランクを外す)
- 引っかけスパナ45mm対応(ボトムブラケットのロックリングを外す)
- ボトムブラケット工具(ボトムブラケットを外す)
- プラスチックヘラ(クランクのキャップを外す)
- モンキーレンチ(クランク抜き工具使用時)
- 六角レンチ8mm(クランクボルトの締め込み)
- 45Lビニール袋(外したクランクとチェーンを置くため)
- 潤滑スプレー(ボトムブラケット、ロックリングが固着している場合)
- グリス(ボトムブラケット、クランク軸等に塗布)
- パーツクリーナー、ウエス、歯ブラシ(内部の掃除)
安全を考慮すると、できれば締付けトルクの管理が理想です。
上の写真はカートリッジ式ボトムブラケットの端の形状と工具です。
こちらをかみ合わせることで取り外しをするのですが、シマノ製であれば締付けトルクが50 – 70 N・m(参考:シマノディーラーマニュアル)と大きい数字。
ちなみにペダル(ミカシマ製)の締付トルクが 35 – 40 N・mでした。
シマノ製(TL-UN74-S)にしようかと思ったのですが、開口幅32mmの工具が必要。
私の持ち合わせているモンキーレンチが使えるか分からない。
また、私はトルクレンチを持っていないので、力の入る長い柄の付いたこちらの商品を選択。
通常こちらのネジでボトムブラケットの軸を固定して外すことができるようですが、TB1は先がネジになっているためこちらを外して作業します。
使用時は、ボトムブラケットと工具のかみ合わせに注意。
こちらは柄が長いため、大きな力が加わります。
右の写真のように斜めのまま回すとなめてしまう恐れがあります。
いつもはAZ万能グリスを使用しているのですが、今回はシマノのプレミアムグリスを用意しました。というのも次回ボトムブラケットを交換するのは少なくとも1年以上先の話になるので、ある程度状態を良好にしておきたい、という意図があります。耐久性を重視しました。粘り気がありますので、今後は使い分けていく予定です。
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交換の方法
作業の際はケガ防止・汚れ付着防止のため作業用手袋等の装着をおすすめします。
こちらは撮影の都合上、素手で作業をしている工程があります。
交換の流れ
今回の交換は、チェーンケースを取付けていない仕様での交換です。
交換の手順において、コッタレスクランク抜きの使用について省略している部分があります。(内容重複の為)
コッタレスクランク抜きを初めてご使用される場合は、「TB1のチェーンケースの取付け方。これで乗り出しが楽になる。」の「事前確認」、「チェーンケースの取付け方①~⑦」に詳しく記載がありますので参考にしてみて下さい。
- クランクを外す。
- ボトムブラケットを外す。
- ボトムブラケットを取付ける。
- クランクを取付ける。
ボトムブラケットを外す
①クランクを外す際にチェーンが付いてきますので、ギアを1番外の7速に(チェーンが張らない状態にするため)入れておきます。
また後ほどロックリングを外すので、潤滑スプレーを吹き付けておきます。
②作業中にクランクとチェーンを置くためのビニール袋等を敷いておきます。(外した部品もこの上に)
クランクのキャップをヘラやマイナスドライバーで外します。
少し隙間がありますので、差し込んで傷付かないように注意します。
③クランク抜きの六角ボルト(14mm)対応側とモンキーレンチを使用して、左右のクランクナットを外します。
どちらも反時計回りで緩みます。
クランクを手で押さえながら、傷付けないように注意します。
④左右のクランクを外します。
コッタレスクランク抜きの押し出す部分を十分に引っ込めて、クランク固定部分に時計回りでねじ込んでいきます。
十分に固定部分をねじ込んだら、今度は押し出す側を時計回りに手で回せるだけ回していきます。
先端がクランク固定ねじに当たり始めて固くなってきたら、モンキーレンチを使用して回していきます。
個人的には左クランク、右クランクの順が楽かと思いました。
外れたクランクやチェーンはビニール袋の上に置きました。
⑤引っかけスパナを使い、ボトムブラケットのロックリングを外します。
時計回りで緩めます。
回らなければ再度ロックリングの凹部分にスプレー。
回しづらいのでケガに注意です。
⑥フレームとボトムブラケットの間に潤滑スプレーを吹き付けて少し待ちます。
(そのままでも回るかもしれませんが、安全にスムーズに作業を行うためです。)
⑦ボトムブラケットの左側のフタ(アダプター)をボトムブラケット工具を使用して外します。
反時計周りで緩みます。
⑧次に右側からボトムブラケット本体を外します。
こちらは時計回りで緩みます。
⑨ボトムブラケットが入っていたフレーム内部を掃除します。
私はパーツクリーナーやハブラシ、ウエスを使用しました。
無事に外れました。
ボトムブラケットの取付け
※こちらではBB-UN300のD-NL (シェル幅68mm・軸長122mm)を使用しています。
①各部にグリスを塗布します。
固着や錆の防止、水の侵入予防のためです。
フレーム内部はネジ山に。
ボトムブラケット本体はネジ山とフレームに接触する部分。
左側もフタ(アダプター)がかぶさるので、塗布しておきます。
②ボトムブラケットを右側から収めていきます。
こちらは反時計回りで締めていきます。
まずは手で入るところまで真っすぐ入れてから工具で。
一度私は斜めに入れてしまい、ネジ山を少し破損。自転車屋さんにお願いしています。すぐに回りが悪くなってしまったら、逆側から覗いて確認した方が良いかもしれません。
反対から確認すると、けっこう奥行きがありそうです。
③左側のフタ(アダプター)を取付けます。
中と外の接触する部分にグリスを塗布して、時計回りで締めつけていきます。
こちらはゆるみ止め(青い部分)が付いているようです。
締め付けているとゆるみ止めが一部削れて出てきました。
④仕上げに左右の本締めを行い、はみ出たグリスを拭き取ります。
工具の柄が長かったため、グッと締めて終わりにしました。
左右ともに端が収まったので、緩んでいれば目視で確認できそうです。
左側が中に収まっている分、左側のクランク軸は少し短くなりました。
⑤クランク軸にグリスを塗布して、右クランクを取り付けます。
続いて向きが180°になる位置に反対の左クランクを取付けます。
こちらはボルトをしていない状態です。
⑥クランク固定ボルトにグリスを塗布し、左右のクランクを固定します。
どちらも時計回りで締め込みます。
※シマノ製であれば締付けトルクは35 – 50 N・mとのことですが、クランクは別メーカーなので確実ではありません。
締め込むとちょうど黒いパーツのところまで入っていきました。
⑦変速等に問題がなければ作業完了です。
チェーンラインは、作業前とほぼ同じ45mmでした。
矢印部分に間隔があり、干渉していません。
こちらは左側クランクとフレームの間隔です。交換前より2~3mm程度短くなってしまいましたが、私の感覚的には問題ありませんでした。
まとめ
カートリッジ式ボトムブラケットの交換についてまとめると、
カートリッジ式のボトムブラケットは、一般的に走行距離約1万kmが交換の目安。
耐久性があり、メンテナンスが要らないタイプ。
初めて交換するなら時間がかかる大変な作業。
交換部品は下調べが必要。
お店にお願いすると2~3倍くらいするけど、安心で間違いない。
ひとまず交換できて、ひと安心。
これで違和感が取れなければ、私のペダリング技術の問題・・・。
かなり先の話ですが、これなら次回も自分で交換できそうです。
走りも軽くなった気がします。
もっと早く交換すれば良かったかな。
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